1.日進市の現況を考える。
 今、この中部地方は日本で一番元気といわれています。なかでも世界のトヨタを擁する豊田市、また3大都市のひとつ名古屋市。そして、この2つの大きな都市にはさまれるロケーションにあるわがまち日進市は、閑静な住宅街に隣接して田園が広がり、街の中央を川が流れ、また東に目を向ければ緑豊かな山々が臨まれる、いわゆるベッドタウンとして素晴らしい環境の街であるといえます。また、名古屋外国語大学、名古屋商科大学などのいくつかの大学有し、若者の多い街でもあり、多くの転居予定者が、同じようなロケーションにある東郷町、三好町でなく、この日進市に住みたいと考え、現実に今もって人口が増えている人気のある街となっています。
 このように、現在はとても活気があり、住みたい街のナンバーワンのように言われる日進市ですが、見方によっては、この元気さがいつまで続くのであろうかと心配にさえなります。
 こまごました問題はいろいろあると思いますが、市政が継続的事業でなければならないと考えたとき、「市の財政」という観点から掘り下げるのが一番ではないかと思い、その実績、予算から検証してみたいと思います。
 現在の日進市の財政は、公表されている資料から見る限り、行政側のコメントをみても、まあまあ良好のように見受けられます。つまり、収入面では市民税による税収が安定的に伸びており、一方では、このところ極端な財政支出をしていないことによって、バランスを良好に保っており、一応、健全財政にみえます。また、日進市は、「自主財源比率が高いから良い状況だ。」つまり「国や県の依存が少なく、自主財源による経営だから安定している、健全だ。」という見方もできます。
 しかし、これが将来に向かってどうかと考えた時、少々問題があります。まず、この堅調にみえる税収の増加は、ロケーションの良さのほか、前述の要因によって人口が増えているからだと考えられますが、単純に人口増による市民税収入の増加が続いているわけで、日進市より良い政策をとる自治体が現れれば、市民の転出により簡単に変わってくる内容だと思われます。
 また、自主財源比率が高いという点については、依存財源を使わない、すなわち県や国からの補助を得るような、市単独で対応できない事業(当然市の負担がある)をしないことによって、率だけをとらえれば、よく見えるいわゆる数字のマジックとも考えられます。逆に言えば、必要なインフラ整備等の投資をしていれば、依存財源が多くなり、もっと自主財源比率は低くなるはずのところ、道路整備を先延ばしにしたことによって、自主財源の支出もなかった、つまり行政が果たすべき仕事を怠った証と見ることもできるわけです。
 いずれにしても、問題はこの人口増加を行政として意図して進めたきたかどうか。つまり、これまでの税収入の増加は、大都市間の狭間というロケーションがよく、また自然があったということ、あるいは天下のトヨタが好調で名古屋駅前に拠点ができたがために、必要に迫られた方々が日進市に転居され、人口が増え、それによって税収が増したというだけだと考えられるわけで、いわゆる行政が意図したわけでない、たまたまの税収増加を喜んでいてはいけないと思うわけです。日進市の長期計画では、今後2022年まで人口が増加し続けると想定していますが、今後の人口推移を、ただ土地の開発状況から単純に右肩上がりで考えていては大変なことになります。 
 小泉前内閣の行政改革によって、地方への税源委譲が進んできており、現実に、今年から会社勤めの方、つまりサラリーマンの給与計算の際に利用する「源泉徴収税額表」の変更があり、これで見る限り、従来より税負担が軽くなりますが、これは、いわゆる地方税への税源委譲によるもので、個々においては、現実には地方税(住民税)が上がり、トータルでは税負担増となるわけです。個々人の話はさておき、税徴収をこれからは、このように自前でやりなさい、日進市でやることは日進市の収支の中でおやりなさいというわけで、これまで指標として良いとしてきた自主財源比率(あくまで比率)など問題ではなくなってきます。つまり、今後、これまで県や国に頼ってきた道路整備、公共施設整備を日進市単独でやっていく羽目になりかねない状況なわけです。
 税金が上がって、道路事情が悪く、公共サービスが伴わなければどうなるでしょう。徐々に転出が増えていく、これはまずいと行政があわてて、今後よくなりますと課税に見合うサービスのための投資を始めたところで、そうなってしまったら、「いまさらサービスの悪い市に住んでいられるか」と市民は逃げ出します。人口の増加どころか減少に転じ、当然税収が落ち込み、それによって収支がさらに悪くなるという、悪循環に陥ることでしょう。
 ましてや、これからは国や県の依存財源なしに、あくまで自主財源だけで対応しなければならない可能性もあることを考えると、まず今の時点、行政でしかできないことを県や国に頼ってでもやらなければいけない。もちろん将来を見据えて、独自の事業も着々と進めて、手はを打っていかねばならないことはいうまでもありません。
 ずいぶん前の話、銀行は絶対潰れないと思っていたものが、バブル崩壊後、あれよという間に大手銀行も含めて次々に破綻し、ひいては北海道の夕張市のように、地方財政が破綻するということです。市政もマネジメント次第で本当にとんでもないことになるということをしっかりと認識し、危機感を持って対応しないといけない時代になっており、日進市もその可能性があるということであります。
2007.01.21 / Top↑
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